**羅刹天(らせつてん)は、仏教において世界の八方や天地を守る「十二天」の一人で、南西の方角(裏鬼門)を担当しています。元々はインド神話における羅刹(ラークシャサ)**という、人を喰らう恐ろしい悪鬼の王でしたが、仏教に帰依することで強力な守護神へと生まれ変わりました。
恐怖の象徴から守護者へ
ラークシャサの王
インド神話では、破壊と滅亡を司るニルリティ神と習合し、墓場を彷徨い死肉を喰らう恐怖の存在とされていました。しかし大日如来や釈迦の教えに触れ、その強大な力を仏教を守るために使うことを誓いました。毒をもって毒を制す、強力なガードマンです。
イメージされる姿
鎧と剣、そして獅子
甲冑を身につけ、右手に剣を持ち、左手で印を結ぶ姿が一般的です。しばしば白獅子に乗った姿で描かれます。表情は忿怒(ふんぬ)の相を浮かべていますが、それは悪を威嚇するためのものです。周囲には配下の羅刹鬼たちを従えています。
裏鬼門の守り
煩悩を断つ
南西は「裏鬼門」にあたり、邪気が入り込みやすい方角とされます。羅刹天はここに陣取り、自身の持つ恐ろしい力で、外から来る災いや、人間の内にある煩悩を食らい尽くして退治してくれます。
まとめ
かつての悪鬼が最強の味方になる。羅刹天は、どんな過去を持つ者でも正しい道に入れば尊い存在になれることを示す、力強い守護神です。