明王なのに怒っていない。それどころか、美しい孔雀に乗った優雅な姿。それが孔雀明王(くじゃくみょうおう)です。
不動明王たちが「力づく」で人々を導くのに対し、孔雀明王は「浄化」の力で人々を救います。美しくも強力なデトックスのスペシャリストです。
孔雀の驚くべき能力
毒を薬に変える
インドでは、孔雀は毒蛇や害虫を好んで食べる益鳥とされていました。しかも、毒を食べても死なず、逆にその羽の色を鮮やかに美しく輝かせます。このことから、「人間の煩悩(三毒:貪り、怒り、愚かさ)を食らい、悟りのエネルギーに変えてくれる」として神格化されました。
最強の呪術シールド
孔雀明王の呪文
『孔雀王呪経』に説かれる呪文は、あらゆる災厄、病気、毒、呪いを取り除く最強のガード魔法とされます。役小角(修験道の開祖)もこの呪法を使いこなし、空を飛んだと伝えられています。
雨乞いの儀式
空に羽を広げる姿が雨雲を連想させることから、古来より日照りの際に雨を降らせる「請雨経法(しょううきょうほう)」の本尊としても重用されました。
まとめ
嫌なことや苦しいこと(毒)さえも、自分の魅力(彩り)に変えてしまう。孔雀明王のたくましい浄化力は、ストレス社会に生きる現代人にこそ必要な力かもしれません。