マヤ神話の頂点に立つ至高神、イツァムナー。「イグアナの家」を意味する名を持つ彼は、マヤ文字や暦を発明し、人間に文明を授けた偉大な老神です。
イツァムナーとはどのような神か?
イツァムナーは、マヤのパンテオンにおける支配者であり、天空の主です。歯の欠けた老人の姿や、天と地を繋ぐ「双頭のイグアナ(または蛇)」の姿で描かれます。太陽神キニチ・アハウさえも彼の化身の一つと見なされることがあります。
キニチ・アハウとの関係
マヤの太陽神キニチ・アハウは、昼の太陽として空を巡りますが、夜になるとジャガーの姿となって地下世界(シバルバー)を旅します。イツァムナーはこの太陽神の上位に立つ、あるいは同一の存在の別側面(天空神としての側面)として捉えられ、宇宙全体の運行を統括する「王の中の王」として君臨しました。
神話での伝説とエピソード
文明の始祖
彼はマヤ文明の根幹をなす「トウモロコシ栽培」「文字」「カレンダー(暦)」「医術」などを発明し、人々に教えたとされます。神官たちは彼を学問の守護神として崇めました。
世界の創造
世界そのものを創造した神であり、世界樹と同一視されることもあります。彼の存在は宇宙の秩序そのものです。
現代作品での登場・影響
遊戯王OCG
「セイクリッド・トレミスM7」などのモチーフの一部に取り入れられています(トレミス=Ptolemy+Itzamna説など)。
穏やかな神
生贄を好む激しい神が多いマヤ神話の中で、イツァムナーは比較的穏やかで、血なまぐさい儀式よりも知的な捧げ物を好んだと言われています。
マヤの医学
イツァムナーは最初の医師でもありました。マヤの祭司たちは、病気は超自然的な原因(悪霊や呪い)で起きると考え、薬草の知識とともに、イツァムナーへの祈祷を行うことで治療を試みました。彼はまた、薬草の精霊たちを統率する存在でもあり、マヤの伝統医療において絶対的な守護聖人とされています。
【考察】その強さと本質
王権の正当性
マヤの王たちは、自らをイツァムナーの子孫や化身と位置づけることで、その支配の正当性を主張しました。
まとめ
マヤの叡智の源流。謎多きマヤ文明の高度な知識は、すべて彼から始まったのです。