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アー・プシュ:マヤ神話の冥界シバルバーを支配する死と腐敗の神【元ネタ・解説】

#神話 #悪神 #冥界神 #死神 #神族 #伝説 #スケルトン #マヤ神話
アー・プシュ / Ah Puch
アー・プシュ

アー・プシュ

Ah Puch
マヤ神話死神 / 冥界王
神格★★★★★
大きさ腐敗した骸骨
権能死と病の拡散
弱点生者の悲鳴
主な登場
SmiteMaya Codex

マヤの人々が最も恐れ、忌み嫌い、しかし避けられない運命として向き合った神、それがアー・プシュです。彼は冥界「シバルバー」の最下層を支配する死の王であり、腐敗、病気、そして突然死をもたらす悪意ある神です。彼の姿は、腐りかけた肉がついた骸骨として、あるいは膨れ上がった死体として描かれます。首には「死の眼」の首飾りを、髪には不気味な音を立てる鈴をつけており、その音がした時、それは誰かの死が近いことを意味していました。

恐怖の冥界シバルバー

9層の地獄

マヤの冥界シバルバーは、血の川や膿の川が流れ、鋭い刃物が飛び交う恐怖の場所です。アー・プシュ(別名ユム・キミル)はそこの君主であり、死者の魂を永遠に苦しめると考えられていました。彼は、フクロウ、コウモリ、犬など、夜や地下に関連する不吉な動物たちを従えています。

終わりのない飢え

彼は常に新しい犠牲者を求めて地上を徘徊します。特に、出産時の女性や、戦場で倒れた兵士、あるいは自殺した者(自殺の女神イシュタムを除く)の魂を狙います。彼の飢えを満たすことでしか、その怒りを鎮めることはできません。

生への対抗者

トウモロコシの神との戦い

マヤ神話の根幹にあるのは、死と再生の物語です。アー・プシュは、再生を象徴する「トウモロコシの神」と常に対立しています。トウモロコシの神が死んで地下に埋められ、また芽吹くというサイクルにおいて、アー・プシュはその再生を阻もうとする「死の確定力」です。

現代への影響

彼の恐ろしいイメージは、現代のメキシコの「死者の日」における骸骨(カラベラ)のモチーフの遠い起源の一つとも言えます。ただし、現代の陽気なガイコツとは異なり、アー・プシュは純粋な恐怖の対象であり、マヤの人々が死という不可解な現象にいかに畏怖を抱いていたかを物語っています。

まとめ

アー・プシュは、生命あるものが決して逃れられない「死」という現実の具現化です。彼の存在があるからこそ、マヤの人々は限られた生を輝かせ、再生への祈りを強く捧げたのかもしれません。